ビジネスカードのサイズは、通常のクレジットカードと同サイズです。実は、このサイズは国際規格で決まっています。カード発行会社、ブランドに関係なく、同一サイズです。
ビジネスカードのサイズは世界共通
カードのサイズは、『縦53.98mm 横85.60mm 厚さ0.76mm』。これは世界共通サイズです。縦横のサイズだけでなく、厚さや角の丸み、磁気テープの位置なども共通です。
「クレジットカードくらいの大きさ」というように、カードはサイズの基準として用いられることがあります。これは、クレジットカードのサイズがどれも必ず同じサイズだから。「カードサイズの」と言えば、誰もがどのくらいのサイズか想像することができます。
カードサイズが共通な理由
カードのデザインは色や絵柄・印字やロゴマークなど多種多様ですね。それなのにサイズが同一なのは、「国内でも海外でも同じように使えるように」という目的があるからです。
サイズやデータの記録場所などが異なると、それぞれに対応する機械でないと決済ができません。カード規格ごとに決済機械が必要なのでは、「どこへ行ってもカードが使える」ことが難しくなります。決済システムのコストも手間もかかる上、ミスが起こる可能性も高くなります。
今は、国際ブランドが提携している店であれば、世界中どの国へ行っても確実にカード決済をすることができてたいへん便利です。これを実現するために、国際規格によりカードが統一されているのです。
ビジネスカードの国際規格
このカードサイズを決めた国際規格は、「ISO/IEC 7810」というものです。
- ISO …国際標準化機構
- IEC …国際電気標準会議
さらに、「ISO/IEC 7810」には4つの種類があります。
- ID-1 …クレジットカードやキャッシュカードサイズなど
- ID-2 …A7サイズ (縦74mm 横105mm)
- ID-3 …パスポートや査証(ビザ)のサイズ:B7サイズ (縦88mm 横125mm)
- ID-000 …SIMカードサイズ (縦15mm 横25mm)
ビジネスカード・クレジットカードのサイズは、この「ID-1 」によって決められています。ちなみに、この縦横は「黄金比」(1:1.618)となっているそうです。
さらに、「ISO/IEC 7813」という国際規格により追加規定が行われています。ここでは、「厚み0.76mm」「角の丸みの半径3.18mm」 が決定しています。
他にも、「磁気テープの位置と高さ」「カード番号の大きさや位置」「ねじれや曲げに対する耐久性」などが決められています。クレジットカードは、細部まで厳密に決められていることがわかります。
国際規格 ISO/IEC 7810の『ID-1』は、クレジットカード以外に、自動車運転免許証や銀行のキャッシュカードなどにも採用されています。このサイズは財布やカード入れにフィットするため、お店のポイントカードやスタンプカード、プラスチックの会員証などに数多く取り入れられています。
ISO:国際標準化機構
ISOは、国際標準化機構・International Organization for Standardizationの略称です。アイエスオー、イソ、アイソなどと呼ばれ、各国の国家標準化団体で構成される非政府組織です。本部はスイスのジュネーヴにあります。
ISO規格は多方面で国際規格として採用されているものなので、見たことのある方も多いことでしょう。これは、「国際的に同じ品質・同じ基準にそろえて製品やサービスを提供する」という標準規格です。この規格により、世界中の国々のさまざまな取引がスムーズになります。ISOが標準化を行なっているジャンルは、工業製品、農業、医療、食品安全など多岐にわたります。
IEC:国際電気標準会議
IECは、国際電気標準会議 ・International Electrotechnical Commission の略称です。IECは、電気・電子分野について、国際的な標準化を行っています。現在、150ヵ国以上が参加しています。
発電・送電や家電、通信、マルチメディアなどの広い分野で標準化を推進しています。日本には国家規格の「JIS」がありますが、IEC規格に準拠して国内規格が策定されることが多くなっています。