ビジネスカードの多くはポイントプログラムが設定されています。ポイントを使うとどのくらいのバックがあるのか、「実質還元率」によって確認できます。
目次
ビジネスカードの標準的な実質還元率は0.5%
「カードを何円分使ったら何円分の還元になるのか」が実質還元率です。カード利用額によってもらえるポイントが、いくらくらいの価値になるのかを割合で表します。ポイントが貯まったら商品などと交換ができるので、オフィスの備品などに変えれば経費節減につながります。
ビジネスカードでは、0.5%が標準的な実質還元率です。0.5%とは、1,000円カードを使った時に5円相当のポイント還元が期待できます。
実質還元率はカードによって異なります。また、利用条件によって還元率が変わるカードもあります。たとえば、年間のショッピング利用額によって翌年の実質還元率が変わるもの、海外での利用について高還元率になるカードなどがあります。
実質還元率は、「ポイント付与率」と「ポイント交換率」から算出することができます。付与率と交換率について説明しましょう。
ポイント付与率=「いくら利用するとポイントがもらえるのか」
ポイントプログラムを利用できるカードには、ポイントの説明として「利用1,000円ごとに1ポイント」などと書かれていることがあります。これは、「カードをいくら使うと1ポイントもらうことができるか」という「ポイント付与率」です。
付与率が高いとポイントを貯めやすくなりますが、これだけではお得かどうかわかりません。どのくらいのレートで商品と交換できるのかを確認する必要があります。
ポイント交換率=「1ポイントで何円分の価値があるのか」
「何ポイントで何円分相当の商品と交換できるか」が「ポイント交換率」です。ポイントをたくさん獲得できても、交換率が悪ければお得感は少なくなります。
ポイントと交換できるものは商品や他社のポイント、マイルなどがあります。厳密に言えば交換率は引き換えたい商品によって異なるので、1ポイントの価値は「およそ5円」「5円相当」という風に紹介されます。これについては、後で詳しく見ていきます。
実質還元率の算出方法
「ポイント付与率」と「ポイント交換率」を使って実質還元率を求めることができます。一例として、1,000円の利用で1ポイントがもらえるポイントプログラムを考えてみましょう。1,000ポイントまで貯めて、5,000円の商品券と交換できるプログラムです。
実質還元率の計算式
ポイント付与率 × ポイント交換率 =実質還元率
1,000円の利用で1ポイントが付与される …ポイント付与率 0.1%
1,000ポイントで5,000円相当に交換できる …ポイント交換率 500%(5倍)
0.1% × 500% =0.5%
実質還元率は0.5%です。このカードは、利用額1,000円で5円分の還元があるということになります。
ビジネスカードでは、突出して実質還元率の高いカードはあまりありません。これは、利用額が個人用カードよりも高額になるからだと考えられます。逆に言えば、0.5%の還元率なのであればだいたい合格点です。それよりも高率のビジネスカードは、お得なカードと考えることができます。
交換する商品によって変わる実質還元率
先にも述べたように、還元率は交換する商品によって変わってきます。ポイントで交換できる商品は多彩で、カタログを見て商品を選んだり、商品券と交換したりすることが可能です。
実質還元率は交換する商品によって変わり、ポイントプログラムごとに差があります。たとえば、JCB法人カードの「Oki Dokiポイント」で交換・移行できる商品別の実質還元率を見てみましょう。交換先により1ポイントの価値が違います。
JCB法人カード「Oki Dokiポイント」のポイント交換・移行
交換・移行先 | 実質還元率 |
---|---|
JCBギフトカード、nanacoポイント、ビックポイント等 | 0.5% |
WAONポイント、Tポイント等 | 0.4% |
JALマイル、ANAマイル等 | 0.3% |
「Amazonギフト券」と「楽天ポイント」で実質還元率を比較
各カードの実質還元率を比べるために、交換先ごとに実質還元率を比べてみました。今回は、以下の5枚のビジネスカードについて紹介します。
- オリコ EX Gold for Biz (オリコ EX)
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(セゾンプラチナ)
- 三井住友ビジネスカード for Owners(三井住友 for Owners)
- JCB法人カード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード(アメックスビジネス)
利用範囲の広い商品券「Amazonギフト券」と、「楽天ポイント」で比べています。
ビジネスカードの実質還元率
Amazonギフト券 | 楽天ポイント | |
---|---|---|
オリコ EX | 0.5% | 0.35% |
セゾンプラチナ | 0.5% | – |
三井住友 for Owners | 0.5% | 0.5% |
JCB法人カード | 0.35% | 0.3% |
アメックスビジネス | 0.33% | 0.33% |
セゾンプラチナは、セゾンカードの「永久不滅ポイント」を貯めることができます。永久不滅ポイントは、1ポイント=ほぼ5円と公式に発表されています。なお、楽天ポイントへの移行は以前は可能でしたが、現在は停止しています。
オリコEXでは、Amazonギフト券や他社ポイントに交換するには、まず「暮らスマイル」を「オリコポイント」に交換するプロセスが必要です。
Amazonパートナーポイントプログラム
JCBカードはAmazonと提携しており、AmazonでのショッピングにJCBのOki Dokiポイントをそのまま利用できます。還元率は0.35%と高くはありませんが、他カードと異なり交換に必要な最低ポイントという基準がありません。1ポイントから利用できるため、たいへん便利です。半端なポイントを有効に使い切ることができます。
このように、実質還元率は交換する商品によって異なります。そのため、各カード会社の実質還元率もユーザーが交換する商品によって変わってきます。本サイトで紹介している「実質還元率」は、上記のような汎用性の高いギフト券やポイント交換において、それぞれ最も高い数字を紹介しています。カード会社によって取り扱っている交換商品は異なりますので、目安程度にご参照ください。