ビジネスカードは、1枚だけでなく複数枚を所持することが可能です。今のカードのサービスに物足りなくなった時、利用限度額を増やしたい時などに2枚目を考えても良いでしょう。
目次
ビジネスカードは複数枚もつことができる
ビジネスカードは、何枚持っていても大丈夫です。経費処理を一本化するためのものだから、1枚だけしか使えない…ということはありません。
事業が波に乗るにしたがって、2枚目のカードを持ちたくなるのは自然なことです。最初は審査の通りやすさを優先してカードを選んだ、という方もいることでしょう。今のビジネスカードに満足できなくなってきたら、2枚目の作り時かもしれません。例えば、下記のようなメリットを見込んで複数のビジネスカードを保持しておきます。
- トータルの利用限度額を増やす
- ステータス性の高いカードと使い分ける
- 海外出張時に活躍するカードを持っておく
- 国際ブランドの選択肢をもってカード決済の機会を増やす
複数のビジネスカードがあれば、例えば「国内と海外」、「ネット決済と実店舗決済」などとカードを使い分けることも可能です。
トータルの利用限度額を増やす
事業がスタートした頃に申し込んだカードは、利用限度額もささやかだったのではないでしょうか。複数のカードを入手すれば、単純に2枚分の利用限度額を得ることが可能です。
1枚目のビジネスカードの利用実績がまだ少ない、という場合もあるかと思います。その場合、1枚目の利用限度額を増やすよりも、2枚目のカードを作る方がトータルの利用限度額を上げるハードルは低くなります。
また、信用情報はカード発行会社間で共有されるので、カードを何枚も申し込むと審査に通りづらくなります。とはいえ、2枚や3枚のカードを持つのは一般的な範囲内なので、特に心配はいりません。
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ステータス性の高いカードと使い分ける
あなたが今所有しているのが一般的なビジネスカードであれば、ステータス性が高く特典が豊富なゴールドクラス以上のカードを新規発行するのも一手です。
例えば、ネット決済ではステータス性など確認してくれる人もいないのでポイント還元率などの実利を重視した一般カードを利用し、店舗決済では涼しい顔をしてゴールドカードを出すという使い分けです。実際にこのような使い分けをしている利用者は多いです。
なお、最高ランクのビジネスカードには、カード会社からの招待がないと申し込めないものがあります。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードのプラチナカードなどは、希望しても申し込むことができません。(アメックスの提携カードであるセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは申し込むことができます)
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海外出張時に活躍するカードを持っておく
カードによっては出張・旅行関連の特典サービスに力を入れています。出張中に使える空港のVIPラウンジサービス、出張期間中に適用される旅行保険の金額が充実しているものなどです。
保険が自動付帯となるカードを持っていれば、そのカードを保持しているだけで保険適用の対象となります。わざわざ海外出張のたびに海外旅行保険などに加入する手間が省けます。
ビジネスカードの主な海外旅行関連サービス
- 海外旅行保険
- 空港ラウンジサービス
- 海外航空機遅延保険
- 宅配サービス優待
- トラベルデスク
国際ブランドの選択肢をもってカード決済の機会を増やす
1枚目でVISAかMastercardのビジネスカードを作った方は、まずカード決済の機会で困ることはないでしょう。この2社だけで、全世界のカード売上高シェアのじつに8割を占めています。それだけにカードの利用機会(対応店舗)も多い国際ブランドです。
一方、それに続くアメックスやJCBなどは地域特性にムラがあります。2枚目のビジネスカードを作る上では、国際ブランドごとの特性を知っておくと良いです。「世界5大国際ブランド」で、その特性を確認しておきましょう。
カード決済の利用機会でみる各社の特性
VISA |
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Mastercard |
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American Express |
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JCB |
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Diners Club |
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また、海外キャッシングも便利です。VISAとMastercardをダブルで持つ場合などは、種類の異なるATMが利用できることになります。。その意味で、国際ブランドでVISAとMastercardを保持しておくことにもメリットがあります。特に海外へ行くことが多い方であれば、国際ブランドの複数持ちをおすすめします。
従業員にカードを持たせたいのであれば「追加カード」
ほとんどのビジネスカードは追加カードを作れます。本会員のカードを親カードとして、従業員に持たせるためのカードです。追加枚数はカードによって異なり、枚数無制限で発行可能というカードも数多く存在します。なかには追加カードの発行枚数上限が少ないものもありますが、その場合でも3枚までは作成できます。
従業員用にカードを用意した場合、名義人はその従業員となります。カードを使えるのもその従業員だけです。他の人が使うことはできないことに注意してください。また、追加カードは親カードと特典やサービスが異なる場合があるので気をつけましょう。
カードを複数枚持つことは便利ですが、注意しておきたいポイントもあります。いくつかの注意点について説明します。
年会費が増える – 複数枚もつ時の注意点
ビジネスカードを複数枚持つようになると、年会費も枚数分かかります。従業員用の追加カードでは、年会費が無料のものもあれば、「追加1枚につき400円」「追加1枚につき1,250円」というものがあります。
予備としてカードを複数枚を持つのであれば、そもそも本カードの年会費が無料のものからチョイスするという方法もあります。年会費が無料のビジネスカードには、以下のものがあります。下記のカードは、追加カードの年会費もかかりません。
年会費永年無料のビジネスカード
カード利用額が分散する – 複数枚もつ時の注意点
「年間200万円以上カード支払いがあれば翌年度の年会費が半額になる」「昨年度の利用額によりポイント還元率がUPする」というカードがあります。複数枚を利用することでカード利用が分散し、これらの基準に満たなくなる可能性があります。
お得な特典を利用できなくなることは避けたいですね。カードの特典を踏まえて、条件を満たすようにカード利用を決めておくと良いでしょう。たとえば、「光熱費はすべてこのカード」「海外出張で利用するのはこのカード」という風に決めて、可能であれば振込手続きを済ませておくと便利です。
締め日・支払日に注意 – 複数枚もつ時の注意点
締め日や支払日は、カードによって変わります。複数枚のカードを持つと、どうしても口座管理が煩雑になってしまいます。残額が把握しきれなくなったり、支払日を勘違いしてしまったり、ということが起こりかねません。
締め日や支払日が一緒のカードを選べるとベストですが、なかなか難しそうです。複数のカードを運用する場合は、「この支払いはいつ利用した分の支払いなのか」ということを意識して使うようにしましょう。