クレジットカードに搭載される国際ブランドには、7つのブランドがあります。それぞれのブランドの特徴を紹介しましょう。
目次
国際ブランドとは?
世界で通用する決済機能を提供していて、高い信頼性を誇るカードブランドを、国際ブランドと呼んでいます。海外のお店で買い物をする時、「VISA」や「MasterCard」などのクレジットカードがあると便利です。
日本で名前が知られている国際ブランドは5種類です。これらをまとめて、「5大国際ブランド」と呼んでいました。
5大国際ブランド
- VISA (ビザ)
- MasterCard(マスターカード)
- JCB (ジェーシービー)
- American Express (アメリカン・エキスプレス)
- Diners Club (ダイナースクラブ)
最近では後発の国際ブランド2つがシェアを急速に広げています。
- 銀聯(ぎんれん)
- Discover(ディスカバー)
2社が加わり、今は「7大国際ブランド」と呼ぶことが多くなっています。
国際ブランドは、各店舗だけでなく国によって利用できる種類が異なります。どの国際ブランドを選ぶかは、クレジットカードを選ぶ上で重要なポイントとなっています。
クレジットカードの7大国際ブランドの特徴
国際ブランド7種類の特徴を見ていきましょう。
クレジットカードの7大国際ブランドの基本情報
世界シェア(決済額) | 本社所在地 | プロパーカード | |
---|---|---|---|
VISA | 約50%・第1位 | アメリカ | なし |
MasterCard | 約26%・第2位 | アメリカ | なし |
銀聯 | 約20%・第3位 | 中国 | なし |
American Express | 約3%・第4位 | アメリカ | あり |
JCB | 約1%・第5位 | 日本 | あり |
Diners Club | 1%未満・第6位 | アメリカ | あり |
Discover | 1%未満・第7位 | アメリカ | なし |
※世界シェア(決済額)と売上シェアのデータは2018年のニルソンレポートによる
「世界シェア = 利用できる地域のシェア」ではありません。あくまでも決済額のシェア率
です。例えば、VISAとMastercardのどちらも、200カ国以上の国で利用できます。
VISA – 世界シェアNo.1の国際ブランド
世界第1位のシェアを誇るトップブランドのVISA。アメリカの銀行である「バンク・オブ・アメリカ」から誕生したブランドです。世界でのクレジットカード売上の半分以上がVISAによるものです。
世界各地で利用されている信頼できるブランドであり、海外へ行くのであればまずは持っていたいカードです。日本国内でも加盟店数は非常に多く、クレジットカードが使える店なら大多数がVISAに対応しています。
VISAは決済機能だけを提供しており、自社でカードを発行しません。そのかわり、多くのカード発行会社と提携を結んでVISAによる決済システムを広めています。日本では、三井住友VISAカードなどが有名ですが、さまざまなカードでVISAを選ぶことが可能です。
MasterCard – 210の国や地域で利用できる世界No.2ブランド
VISAに次ぐシェアを持つブランドです。シェアは26%であり、こちらも多くの国や地域で利用できます。VISAを搭載したカードを持っていたら、次はMasterCardのカードを持つと良いでしょう。2種類があれば、海外ではほぼ困ることはありません。
「VISAはアメリカに強い」「ヨーロッパに強いMasterCard」などと以前は言われていましたが、今はどちらのカードも世界中で便利に使えます。
MasterCardもVISAと同様に決済システムだけを提供する会社で、自社のカードはありません。日本では、オリコカード、MUFGカードなど多くの会社でMasterCardを選べるようになっています。
Mastercardのクレジットカードを選ぶメリット・デメリット
銀聯 – 中国経済の成長に伴い急速にシェアを拡大している国際ブランド
銀聯は中国生まれの国際ブランドです。中国が経済的に発展するのに合わせて利用者が急増。圧倒的な支持を受けて、決済額では世界シェア第3位に躍り出ました。
日本ではまだそれほど知名度は高くないかもしれませんが、中国からの観光客が訪れる店では銀聯マークがよく見られます。海外では「Union Pay」という名前で通っています。
仕事で日本から中国へよく渡航するという方も多ことでしょう。その場合におすすめの国際ブランドです。気になるセキュリティーは、6桁の暗証番号設定・サイン必須となっていて対策も万全です。日本では三井住友、三菱UFJニコス、ANAが銀聯ブランド搭載のカードを発行しています。
American Express – ステータスの高いアメックスブランド
アメックスの愛称で知られるブランドで、世界でもステータスの高いカードとして知名度が高く、海外ではアメックスのカードを提示すると店員の態度が変わる…という話もあるほどです。
国際ブランドAmerican Expressを選ぶメリットとデメリット
昔は「日本ではアメックスカードを使える店が少ない」という印象がありましたが、今はそんなことはありません。日本のトップブランドであるJCBと提携しているので、JCB加盟店ではアメックスも利用できることが多くなっています。
決済システムの提供だけでなくクレジットカード発行も手掛けています。カードは一般カード(グリーンカード)の他、上位カードとしてゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードを発行しています。
アメックスのビジネスカード – グリーン・ゴールド・プラチナの比較
JCB – 国内利用トップ・日本発の国際ブランド
日本生まれの唯一の国際ブランドです。世界各国にある加盟店数は3000万以上。世界シェアとして見ると1%ほどですが、国内では売上も加盟店数もNO.1です。あまり海外へ行くことはない、という方であればJCBをおすすめします。
国際ブランドJCBを選ぶメリット・デメリット – クレジットカードの基本
American Expressと提携を結んでいるため、アメックスが使える店ではJCBも利用できることがほとんどです。また、カード発行会社でもあるため、JCBのプロパーカードを作ることが可能です。
Diners Club – 日本で初めてクレジットカードを発行した草分け的ブランド
世界売上シェアは1%未満と大きくはありませんが、アメックス同様、高いステータスを誇ります。もともと富裕層に向けてのカードサービスを行ってきた国際ブランドです。
ショッピング利用枠には上限が設定されておらず、また、27歳以上でないと会員になれません。ハイステータスの分、審査は厳しく年会費は高額。付帯サービスも充実しています。更にステータスの高い上位カード、ダイナースクラブ プレミアムカードも存在します。
ダイナースクラブ ビジネスカード – ステータス性の高い法人カード
Diners ClubもJCBと提携関係にあります。国内でも使い勝手がよくなりました。また、2008年にはディスカバーカード傘下に入っています。
Diners Clubのクレジットカードを使うメリット・デメリット
Discover – 日本では発行していない最新の国際ブランド
アメリカ発の国際ブランドで、世界シェアは約1%未満。7大国際ブランドの中で一番最後に登場した新しいブランドです。まだ、日本での認知度はそれほど高くはありません。アメリカを中心に使われてることが多くなったブランドで、2005年に国際ブランドとなりました。世界での会員数は5,000万人以上と言われています。
日本ではDiscoverブランドのカードは発行されていません。JCBや銀聯と提携をしているため、JCBマーク・銀聯マークのついた加盟店で利用することができます。