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地代家賃とは?具体例・記帳方法・確定申告書類(決算書)の書き方

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2021/06/04

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地代家賃とは? - 事業に関係のある土地代や家賃など

地代家賃とは?

事業に関わる土地や建物の賃料は、「地代家賃」の勘定科目で経費に計上します。事業とプライベートの両方に関わる場合は、「家事按分」の処理が必要です。

地代家賃の具体例

  • 事務所の家賃、管理費、共益費
  • 月極駐車場の料金
  • 倉庫やトランクルームの利用料
  • レンタルオフィス、シェアオフィスなどの使用料
  • 更新料、権利金、20万円未満の礼金など
  • 借地料

なお、物件を借りる際に支払う「仲介手数料」や「火災保険料」は、地代家賃に含めず、別の勘定科目で処理するのが一般的です。(詳細は後述)

記帳例① 基本的な仕訳方法

たとえば、事業用に借りている月極駐車場の賃料(25,000円)を振り込んだときは、以下のように記帳します。

単式簿記の記帳例

日付 地代家賃 摘要
20XX年9月30日 25,000 月極駐車場代
10月分

複式簿記の記帳例

日付 借方 貸方 摘要
20XX年9月30日 地代家賃 25,000 普通預金 25,000 月極駐車場代
10月分

記帳例② 家事按分するときの仕訳方法

事業とプライベートで兼用している土地や建物の賃借料は、「家事按分」という処理を行い、事業使用分だけを経費に計上します。

例:自宅兼事務所の家賃(事業使用比率は40%とする)

日付 借方 貸方 摘要
20XX年2月28日 地代家賃 40,000 普通預金 100,000 事務所家賃
事業主貸 60,000 家事使用分

上記の仕訳では、家賃10万円のうち、40%の4万円を「地代家賃」として経費に計上し、残りの6万円を「事業主貸」に計上しています。「事業主貸」は、事業用の資金を私的な目的で支出した際に使う勘定科目です。

記帳例③ 賃貸物件を借りるときの仕訳方法

賃貸の契約時には、家賃や敷金・礼金など、いくつもの費用がかかります。記帳の際には、下記のように勘定科目を使い分けましょう。

日付 借方 貸方 摘要
20XX年6月1日 地代家賃 300,000 普通預金 465,000 事務所家賃(6月・7月分)
礼金
敷金 100,000 敷金
損害保険料15,000 火災保険料
支払手数料 50,000 仲介手数料

仕訳例の設定

  • 家賃:月10万円(管理費・共益費込み)
  • 礼金:10万円
  • 敷金:10万円
  • 火災保険料:15,000円
  • 仲介手数料:5万円
  • 全額を事業用の口座から支払う

上記の例では、敷金以外はすべて経費計上できます。敷金は、退去時に返金されることが前提なので、入居時点では経費計上できません。いったん「敷金」の勘定科目で資産計上しましょう。

【注意】20万円以上の礼金

  • 20万円未満……支払った時点で全額を「地代家賃」に計上する
  • 20万円以上……均等額を5年間*に渡って、少しずつ経費に計上していく

*契約期間が5年に満たない場合は、その契約期間となる

【補足】年をまたぐ家賃の仕訳方法

年をまたいで家賃を支払う際も、基本的には「支払ったタイミング」で経費計上して構いません。たとえば、12月に翌年1月分の家賃を支払うときは、以下のように仕訳をすればOKです(短期前払費用の特例)。

日付 借方 貸方 摘要
2021年12月26日 地代家賃 90,000 普通預金 90,000 事務所家賃(1月分)

引用

…(前略)…本年中に支払った金額が1年以内の期間のものであるときは、そのまま本年分の必要経費にしても差し支えありません。

青色申告の決算の手引き – 国税庁

※「白色申告者の決算の手引き」にも同様の記述がある

通常、1年以上も先の家賃を支払うことはないでしょうから、基本的には「支払った時点で経費計上する」と考えて構いません。

決算書の書き方 -「地代家賃の内訳」

地代家賃は、白色申告の「収支内訳書」と青色申告の「青色申告決算書」のそれぞれに、内訳の記入欄が設けられています。

「地代家賃の内訳」の記入欄

収支内訳書
(2ページ目)
青色申告決算書
(3ページ目)
地代家賃の内訳 - 収支内訳書の例 地代家賃の内訳 - 青色申告決算書の例
支払先の住所・氏名 家賃の支払先(不動産会社や大家さん)の住所氏名
例:東京都世田谷区世田谷〇丁目〇〇 山田A男
賃貸物件 借りている物件の用途
例:事務所、自宅兼事務所、事業用倉庫、店舗など
本年中の
賃借料・権利金等
本年中に発生した賃借料(家賃)などの金額
・「権更」……1年間で支払った権利金や更新料など
・「賃」………1年間で支払った賃借料
左の賃借料のうち
必要経費算入額
払った家賃のうち、必要経費に計上した分の金額
家事按分をしていなければ「本年中の賃借料」と一致する

まとめ

  • 「地代家賃」は必要経費の勘定科目
  • 事業に関わる土地代や家賃などが当てはまる
  • 事業とプライベートで兼用している費用は「家事按分」をする
  • 契約時には、家賃、礼金、管理費、共益費などを「地代家賃」として計上する
  • 家賃を前払いした場合、基本的に支払ったタイミングで経費計上してOK

会計ソフトによっては「地代家賃」に似たような、「賃借料」や「リース料」といった勘定科目も用意されています。これらは、一般的に下記のような目安で使い分けられています。

地代家賃 土地や建物を借りる際に使う
賃借料 OA機器やレンタカーなどを借りる際に使う
リース料 リース契約に基づいてものを借りる際に使う

「賃借料」と「リース料」の勘定科目は、決算書にはあらかじめ記載されていません。必要に応じて、みずから追記しましょう。

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