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電子申告のメリット・デメリット – 個人事業主向け

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2021/04/05

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電子申告のメリット・デメリット - 個人事業主向け

電子申告のメリット・デメリットについて。個人事業主向けにまとめました。電子申告は、初回の準備に手間がかかりますが、それさえ乗り越えられれば大したデメリットはありません。

電子申告のメリット・デメリット

電子申告の主なメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
  • 自宅から24時間申告できる
  • 添付書類のほとんどを省略できる
  • 還付が早めに受けられる
  • 青色申告特別控除が10万円UPする
  • 本人認証に手間がかかる
  • 税務職員と直接相談できない
  • 推奨環境の整備

電子申告の最大の特徴は、インターネット環境さえあれば、どこからでも申告できることです。確定申告時期には24時間受け付けとなり、忙しい人でも自分のタイミングで申告できます。ただし、事前準備には相応の手間がかかります。

メリット① 自宅から24時間申告可能

確定申告時期は、メンテナンスを除く24時間、e-Taxによる申告を受け付けています。つまり、この時期は自宅にいながらいつでも電子申告できます。

確定申告期間中の申告

直接 郵送 電子申告
提出時間 税務署の開庁時間 いつでも いつでも
提出場所 税務署 郵便局など どこからでも
プリントアウト
(確定申告書への記入)
必要 必要 不要

直接提出だと、税務署の開庁時間に足を運ぶ必要があります。一応、税務署には開庁時間外でも提出できるポスト(時間外収受箱)が設置されていますが、その方法だと税務職員によるチェックがなくなってしまうので、直接提出のメリットが失われてしまいます。

郵送の場合、提出時間は関係ありませんが、会計ソフトなどで作成した申告データをプリントアウトして、ポストに投函しなければなりません。電子申告だとデータの送信で申告が完了するので、プリントアウトする手間がかかりません。

メリット② 添付書類の省略可能

郵送や直接提出の場合、控除関係の証明書や医療費の明細書などを添付する必要がありますが、電子申告の場合はほとんどの添付書類を省略できます。ただし、添付を省略した書類は5年間の保存が必要です。

省略可能な添付書類(一例)

  • 社会保険料控除の証明書
  • 生命保険料控除の証明書
  • 地震保険料控除の証明書
  • 医療費控除の領収書
  • 寄付金控除の証明書
  • 雑損控除の証明書

住宅ローンの証明書など、一部の書類は添付の省略ができませんが、PDFデータで送信すればよいことになっています。もちろん、直接提出や郵送してもOKです。

メリット③ 還付が早めに受けられる

電子申告なら、書類提出で還付申告するよりも、還付までの日数が少なくなります。

おおよその還付時期

電子申告で1・2月に提出 電子申告で3月に提出 直接または郵送で提出
2~3週間 3週間 1~1ヶ月半

ちなみにe-Taxでは、確定申告期間前の1月上旬あたりから申告を受け付けています。ですから、準備ができた人は、わざわざ2月中旬まで待たなくても申告ができます。ただ、確定申告期間前(2月16日以前)に送信しても、受付日は原則として2月16日になります。

メリット④ 青色申告特別控除が10万円UPする

青色申告特別控除は、青色申告者だけが受けられる特別な控除です。クリアする要件ごとに、控除額が3段階設けられています。最高額の65万円控除は、55万円控除の要件に加えて電子申告するだけで達成できます。(電子帳簿保存による方法でもOK)

10万円 55万円 65万円
  • 青色申告をする
  • 青色申告をする
  • 複式簿記で記帳する
  • 青色申告をする
  • 複式簿記で記帳する
  • 電子申告 or 電子帳簿保存を行う

デメリット① 本人認証に手間がかかる

e-Taxを利用するには、「マイナンバーカード方式」か「ID・パスワード方式」のいずれかの方法で本人認証をします。

マイナンバーカード方式 ID・パスワード方式
手順 マイナンバー方式の手順 マイナンバー方式の手順
準備期間 マイナンバーカード発行に
1~ 2ヶ月
ID、パスワードの発行は
即日
事前手続きで用意するもの ・交付申請書
・通知カード(持っている人)
・本人確認書類
・顔写真
・本人確認書類
申告のときに用意するもの ・マイナンバーカード
・ICカードリーダー
・e-TaxのID、パスワード
可能となる電子申告の方法 ・確定申告書等作成コーナー
・e-Taxソフト
・会計ソフト独自の申告ツール
・確定申告書等作成コーナー

マイナンバーカード方式

マイナンバーカード方式では、対応のICカードリーダーでマイナンバーカードを読み取ることで本人認証を行います。ICカードリーダーは自分で用意する必要があり、約2,000~4,000円の費用がかかります(機種によってはスマホで代用することも可能)。

ID・パスワード方式

事前に本人確認書類を持って税務署へ行けば、最短5分でIDとパスワードを発行してもらえます。この情報を使って、「確定申告書等作成コーナー」(以下、作成コーナー)から電子申告ができるようになります。これがID・パスワード方式です。

デメリット② 税務職員と直接相談できない

税務職員への窓口相談

直接提出 郵送 電子申告

自宅やオフィスなどから電子申告をした場合、分からないことがあってもその場で税務職員に相談することができません。税務署は電話相談も受け付けてはいますが、確定申告時期はかなり混雑していて繋がりにくいです。

確定申告に慣れていない人や、チェックしてもらわないと不安な人にとって、提出時に最終チェックを受けられないことはデメリットになるでしょう。

デメリット③ 推奨環境の整備

電子申告の推奨環境は、民間のウェブサービスよりもきつく限定されています。確実に行うには、パソコンを適度なOS・ブラウザに保っておく必要があります(最新OS・ブラウザも推奨環境には入らない場合があります)。

主な電子申告方法の対応OSの違い

作成コーナー e-taxソフト
(WEB版)
e-taxソフト
(インストール型)
Windows
Mac

事前準備 – 国税庁

上表のほかにも、個人事業主向けの会計ソフトメーカーが独自で提供する、電子申告ツールからも電子申告ができます。弥生の「確定申告e-taxモジュール」や freee の「電子申告アプリ」などがこれに該当します。ただ、利用できるOSは商品によって異なります。

まとめ

電子申告は、疑問点を相談して作業することができないため、確定申告に慣れていない人にはハードルが高いかもしれません。ただ、初回準備を終わらせ、電子申告に慣れさえすれば、その後の申告は直接提出や郵送に比べてかなりラクになるでしょう。

電子申告の主なメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 自宅から24時間申告できる
  • 添付書類のほとんどを省略できる
  • 還付が早めに受けられる
  • 青色申告特別控除が10万円UPする
  • 本人認証に手間がかかる
  • 税務職員と直接相談できない
  • 推奨環境の整備

「とりあえず電子申告をしてみたい!」という人には、ID・パスワード方式で「作成コーナー」から電子申告する方法がおすすめです。この方法だと、マイナンバーカードを持っていなくても、税務署で手続きをしたその日に電子申告ができるようになります。

「作成コーナー」以外から電子申告する場合には、マイナンバーカードが必須です。マイナンバーカード発行には1~2ヶ月ほど要するので、ゆとりを持って申請しましょう。

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