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複式簿記とは?具体例を見ながら仕訳の基本を理解!

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2021/03/02

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複式簿記と仕訳について

複式簿記と仕訳について、それぞれどのようなものか説明します。青色申告で55万円または65万円控除を受けるためには、複式簿記を避けて通ることはできません。また、複式簿記の帳簿付けには必ず仕訳が必要です。

複式簿記とは

複式簿記とは、ひとつひとつの取引を2つに分けて考えて帳簿をつけることです。「お金が増減した」という結果だけではなく、「なぜお金が増減したか」という増減の理由についてまでも帳簿付けをします。

なお、このように取引を2つに分けてとらえることを「仕訳」と呼びます。仕訳についての詳しい内容は後ほど説明します。

単式簿記と複式簿記の違い

単式簿記とは、家計簿や通帳と同じ形式のものです。取引において1つの勘定科目のみに注目して記帳を行います。基本的には、お金の増減のみに注目した記帳方法です。

単式簿記の例

日付 勘定科目 金額 摘要(その費用の内容)
20XX年1月20日 旅費交通費 4,000円 〇〇自動車㈱ タクシー代
東京駅~㈱△△

一方で複式簿記は、取引を二面から捉え、2つの勘定科目を利用して記帳を行います。単式簿記とは異なり、お金の増減のみならず財産や借金、さらに儲けの明細まで表すことができます。

複式簿記の例

日付 借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
20XX年1月20日 旅費交通費 4,000円 現金 4,000円 〇〇自動車㈱ タクシー代
東京駅~㈱△△

仕訳とは? – 具体例を見ながら理解しよう

複式簿記では必ず「仕訳」を行います。仕訳とは、まずは取引を借方と貸方に分類して、そのあとにそれぞれに適当な勘定科目を付けて、取引を細分化していくことです。

貸方が増えると借方がマイナスになり、借方が増えると貸方がマイナスとなります。また、借方・貸方それぞれの合計金額は等しくなります。

仕訳を行う際の取引の分類方法ですが、以下のルールに基づいて行います。

勘定科目ごとの仕訳時のルール

勘定名 主な勘定科目 借方に記入 貸方に記入
資産 保有財産(現金、預金、売掛金、建物) 増加時 減少時
負債 借金など(買掛金、未払金、預金、借入金) 減少時 増加時
資本(純資産) 返済義務のないお金(資本金、元入金) 減少時 増加時
収益 売上など(売上高、雑収入) 発生時
費用 経費など(給料、商品仕入高、旅費交通費) 発生時

文章では伝わりにくいので、実際に仕訳の例を見てみましょう。

例:株式会社〇〇より商品Aを100個、現金10,000円で仕入れた場合

まずは、この取引で、上の表に当てはまる部分を確認してみましょう。

複式簿記では、取引を二面からとらえるのでした。この取引では「現金という資産が減少すること」と「商品仕入高という費用が増加すること」の二面があります。

勘定名 主な勘定科目 借方に記入 貸方に記入
資産 保有財産(現金、預金、売掛金、建物) 増加時 減少時
負債 借金など(買掛金、未払金、預金、借入金) 減少時 増加時
資本(純資産) 返済義務のないお金(資本金、元入金) 減少時 増加時
収益 売上など(売上高、雑収入) 発生時
費用 経費など(給料、商品仕入高、旅費交通費) 発生時

実際の帳簿づけは、下記のように行います。

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
商品仕入高 10,000円 現金 10,000円 ㈱〇〇
商品A100個

この場合、費用の「商品仕入高」が10,000円増加したので、借方に記入します。また、資産の「現金」が10,000円減少したので、貸方に記入します。なお、借方の合計金額と貸方の合計金額は同一の10,000円となります。

複式簿記をつける目的

単式簿記と比べて、手間がかかり難しい複式簿記ですが、複式簿記で記帳する目的は何でしょうか。

損益計算書・貸借対照表の作成

個人事業主が複式簿記で記帳する最も大きな目的は、「損益計算書」および「貸借対照表」の作成です。これらは青色申告55万円・65万円特別控除の必要書類で、どちらも作成に複式簿記での記帳を必要とします。

青色申告における記帳方法ごとの特別控除額

単式簿記 複式簿記
10万円 55万円・65万円

青色申告では、記帳方法を単式簿記と複式簿記の2種類から選択することができます。複式簿記を選択した場合は、控除額が55万円または65万円と大きく増えます。

それぞれの概要 – 損益計算書・貸借対照表

個人事業主が複式簿記をつけるときの最終目標である損益計算書と貸借対照表について、まずはそれぞれの特徴を解説していきます。

どちらも事業成果を表し、複式簿記で取引を仕分けすることで作成する決算書であることに変わりはありません。それぞれの大まかな特徴は以下の通りです。

  • 損益計算書:費用と収益の関係を示すことで業績を表す
  • 貸借対照表:資産・負債・資本の関係を示すことで全体の財政状況を表す

損益計算書

損益計算書とは、事業での儲けや赤字、つまり業績を表したものです。P/L(Profit and Loss statement)とも呼ばれます。

費用と収益の勘定科目を一覧し、使ったお金(費用)と稼いだお金(収益)についての損益計算をすることで、年間の利益や損失を明らかにします。

貸借対照表

貸借対照表とは、事業全体の財政状況、つまりどんなお金がいくらあるのかを表したものです。B/S(Balance sheet)とも呼ばれます。

負債・資本・資産の勘定科目を一覧することで、会社がどんな財産(資産)を持っていて、元になるお金(負債・資本)はどうやって調達したのかを明らかにします。また、負債・資本の合計金額と資産の金額は一致(=Balance)します。

5つの勘定科目 – 損益計算書・貸借対照表

損益計算書および貸借対照表について理解するために、まずは5つの勘定を思い出しましょう。勘定は、損益計算書および貸借対照表の、重要な構成要素です。

5つの勘定と主な勘定科目

勘定名 主な勘定科目
資産 保有財産(現金、預金、売掛金、建物)
負債 借金など(買掛金、未払金、預金、借入金)
資本(純資産) 返済義務のないお金(元入金)
収益 売上など(売上高、雑収入)
費用 経費など(給料、商品仕入高、旅費交通費)

損益計算書と貸借対照表は、取引を仕訳して、5つの勘定いずれかに分類していくことで完成します。なお、このとき勘定は左右(借方側と貸方側)の定位置があります。また、損益計算書・貸借対照表それぞれに関して、どの勘定を利用して作成するかも決まっています。

勘定の定位置と損益計算書・貸借対照表の関係

勘定の定位置(黒字の場合) 勘定の定位置(赤字の場合)
損益計算書 貸借対照表

5つの勘定の定位置と、損益計算書・貸借対照表それぞれへの振り分けは以上の通りです。なお、勘定と勘定科目の関係については下記の記事をご覧ください。

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