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旅費交通費とは?対象の費用・記帳例・家事按分の方法など

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2021/06/07

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旅費交通費とは?事業用途の移動費や宿泊費など

旅費交通費とは?

  • 「旅費交通費」は必要経費の勘定科目
  • 事業用途の移動費や宿泊費などを経費計上する際に用いる
  • 国内の出費なら消費税区分は基本的に「課税」

事業主の交通費や出張費以外にも、雇っている従業員に支払った通勤手当も、旅費交通費に含めることができます。

旅費交通費の具体例

下記のような支払いを、旅費交通費の科目で記帳します。これらの具体例はいずれも「事業のために必要な出費であること」が大前提です。

  • 電車賃、バス代
  • タクシー代
  • 飛行機、新幹線代
  • 有料道路料金
  • ガソリン代
  • レンタカー代
  • 駐車場代(コインパーキングなど)
  • 出張費(航空運賃や宿泊費など)

ちょっとした駐車場代であれば、旅費交通費で仕訳します。一方で長期間の駐車場代、例えば月極駐車場の賃料などは「地代家賃」の勘定科目を用いて記帳しましょう。

仕訳例① – 一般的な支払いの場合

今回は「複式簿記」の例で説明しています。例えば、出張のために使用した新幹線代は、以下のように仕訳します。

日付 借方 貸方 摘要
20XX年11月21日 旅費交通費 15,000 現金 15,000 新幹線代
東京~大阪間(往復)
〇〇氏と打ち合わせ

とくに高額な旅費交通費については、摘要に交通の内容だけでなく、移動の目的まで記入しておくとなおよいです。

仕訳例② – 家事按分をする場合

支払いによっては、事業の分とプライベートの分を兼ね備えている場合があります。その場合は費用を「家事按分」すれば、経費に計上する分と経費に計上しない分に分けて帳簿づけできます。

事業でも使用している自家用車のガソリン代(事業使用分は40%とする)

日付 借方 貸方 摘要
20XX年6月8日 旅費交通費 2,000 現金 5,000 ガソリン代
事業主貸 3,000 家事使用分

上記の仕訳は「ガソリン代5,000円のうち、40%の2,000円を旅費交通費として経費計上し、残りの3,000円分はプライベートの支出とする」ということを表します。事業用資金の出費を、私的な支出として処理する際に「事業主貸」という科目を使います。

領収書をもらえないとき

記帳した内容の証拠として、領収書を保存しておく必要があります。しかし、電車やバスでは、領収書が発行されません。領収書をもらえない場合、以下どちらかの書類を作成し、保存しておけばOKです。

出金伝票 交通費精算書
出金伝票の見本 交通費精算書
  • 電車やバスを使う機会が少ない人向け
  • 手書きやエクセルなど、作成方法は自由
  • 文房具店や100円ショップで購入可
  • 電車やバスを使う機会が多い人向け
  • 手書きやエクセルなど、作成方法は自由

交通系ICカードを使っている場合、その利用履歴を券売機や専用アプリで印字すれば、上記の書類作成がスムーズになります。たとえばSuicaだと、直近100件まで(26週間以内)の履歴が印字できます。

交通系ICカードへのチャージについて

基本的に、プリペイド式交通系ICカードへのチャージ金額を経費計上することはできません。これは交通機関だけでなく、小売店や飲食店でも利用できるからです。もしどうしてもチャージ分を経費計上したければ、以下の3点に注意して行いましょう。

  • 事業の交通用途専用のカードをつくる
  • チャージ分の領収書や、利用履歴の印字などを保管しておく
  • 当年に使った分だけを、当年の経費に計上する

たとえば5万円のチャージをしても、当年に使用した金額が2万円であれば、その年の旅費交通費として計上できるのは2万円だけです。残りは年末にいったん「貯蔵品」などの資産科目へ振り替え、翌年以降に経費化します。

簿記に慣れていない方には、難しいかもしれません。この処理に自信のない方は、チャージ分を経費計上せず、実際に交通利用があった時に経費計上していくのが無難です。

旅費交通費の消費税区分

ここでは、課税事業者(税務署へ消費税の納付義務がある人)向けに説明しています。免税事業者(税務署へ消費税の納付義務がない人)は関係がないので、読み飛ばしても問題ありません。

国内での旅費交通費は、基本的に消費税が課税されます。しかし、とくに海外へ出張に行く場合などは、消費税の課税区分に注意しておきましょう。

例:航空券の消費税区分

  • 国内航空券……往復ともに「課税」区分
  • 海外航空券……往復ともに「非課税 or 不課税」区分

課税・非課税・不課税・免税の4つの区分を雑にしていると、納める消費税額を間違えてしまいます。課税事業者は、4つの消費税区分についてよく理解しておく必要があるのです。

まとめ

旅費交通費は、白色申告で提出する「収支内訳書」や、青色申告で提出する「青色申告決算書」に記載されている必要経費の科目です。

実務上のポイント

  • 領収書がでない費用は「出金伝票」か「交通費精算書」に記入する
  • 旅費交通費として計上できる金額に上限はない
  • ただし、私用分は経費計上せず、必要に応じて家事按分する
  • 基本的に、交通系ICカードへのチャージ分を経費計上しないこと
  • 国内での旅費交通費は、基本的に消費税が課税される
  • 従業員の通勤手当も、旅費交通費に含めることができる
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