国税庁のウェブサイトでは、該当ページから確定申告書類のPDFファイルをダウンロードできます。本記事では個人事業主向けに、これらの申告書類の概要を分かりやすくまとめています。
主な確定申告書類の一覧表
確定申告書類には様々なものがありますが、ほとんどの個人事業主は赤文字で示した書類を提出すればOKです。決算書については「収支内訳書(白色申告者用)」と「青色申告決算書(青色申告者用)」で、自分に該当する方を選びましょう。
主な申告書類と内容
内容 | |
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申告書A | 所得や控除について記入する簡易的な申告書 これで申告できるのは、給与所得・一部の雑所得・一時所得・配当所得のみ。一般的な会社員が申告する場合はこれを使う |
申告書B | 所得や控除について記入する汎用的な申告書 所得の種類にかかわらず、誰でも使用できる。個人事業主はこれを使う |
申告書第三表 (分離課税用) |
分離課税の申告が必要となる所得がある場合に使う申告書 株式や土地の譲渡による所得を得た人などが使用する |
申告書第四表 (損失申告用) |
事業の損失額(赤字)を翌年以降に繰り越す場合に使う申告書 基本的には、赤字を出した青色申告者が使用する |
申告書第五表 (修正申告・別表) |
申告期限が過ぎてから申告内容を修正する際に使う申告書 納付額が少なかった場合や、還付金が多すぎた場合に使用する |
収支内訳書 | 白色申告者が提出する決算書 一般用・農業所得用・不動産所得用がある (大抵は一般用を使用する) |
青色申告決算書 | 青色申告者が提出する決算書 一般用・農業所得用・不動産所得用・現金主義用がある (大抵は一般用を使用する) |
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 住宅ローン控除の明細書 住宅ローンでマイホームを購入した場合や、特定の増改築をした場合などに使用する |
添付書類台紙 | 確定申告で提出する添付書類を貼り付けるための台紙 本人確認書類のコピーや、各種控除の証明書などを貼り付ける |
これらの書類は、国税庁の該当ページから最新版がダウンロードできます。ダウンロードしたファイルは、印刷してそのまま提出用の書類として利用できます。もちろん税務署にも備え付けてあるので、直接取りに行ってもOKです。
個人事業主が確定申告で提出する書類
白色申告と青色申告では、提出書類が一部異なります。白色申告者は、全2ページで構成された「収支内訳書」、青色申告者は、全4ページで構成された「青色申告決算書」を提出します。
主な提出書類
白色申告 | 青色申告 |
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・収支内訳書 ・確定申告書B ・添付書類台紙 |
・青色申告決算書 ・確定申告書B ・添付書類台紙 |
「収支内訳書」と「青色申告決算書」には、それぞれ一般用・農業所得用・不動産所得用があります。大抵の場合は「一般用」を使えば問題ありません。ただ、農業所得や不動産所得を得ている人は、該当する書類を使いましょう。
また、青色申告決算書には「現金主義用」も用意されています。事前に、現金主義の届出をしている人は、こちらの「現金主義用」の書類を使うことになります。
>> 発生主義と現金主義の違い
確定申告書類はパソコンからも作成できる
確定申告書類は、「確定申告書作成コーナー(国税庁が運営するウェブサイト)」や、個人事業用の会計ソフトからも作成できます。完成した申告データを印刷すればそのまま提出用の書類として使用できるので、紙の書類に書き写す必要はありません。
申告書の様式について
確定申告書類は、税制改正に応じて様式が更新されます。国税庁のウェブサイトでは「令和○年分以降用」などと表記され、いつの申告に対応するものかが示されています。たとえば令和2年分の申告を行う場合、「令和2年分以降用」の書類を用います。
- 大抵は前年分の申告なので、最新のものを使えばOK
- さかのぼって過去の申告をする場合、対象の年に応じた書類を使おう
- 過去の申告書類は、国税庁の該当ページからダウンロードできる
申告書類は毎年かならず更新されるわけではありません。書類が更新される場合は、1月中旬頃から最新版が配布されます。