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減価償却資産の償却方法まとめ

2020/03/24

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減価償却資産の償却方法まとめ

「減価償却」とは、長期的に使用する資産の購入費用を、長期にわたって経費にしていくこと。基本的には、数年間で毎年同じ金額を経費にしますが、場合によっては他の方法も選べます。主な償却方法は4つあり、それぞれ1年間で経費にできる金額が異なります。

減価償却とは?

事業で長期的に使用する固定資産の購入に10万円以上かかった場合、その費用は数年かけて少しずつ経費に計上します。この仕組みを「減価償却」と呼びます。減価償却される資産は「減価償却資産」と呼ばれ、高額なパソコンやデスクなどがこれにあたります。

減価償却で経費に計上していく金額を「減価償却費」と呼び、1年間の減価償却費は「取得価額」を一定の年数で割るなどして計算します。なお「取得価額」は、固定資産の購入価格だけでなく、購入にかかった運送料なども含めた費用のことを指します。

個人事業の減価償却方法

個人事業では、基本的に「定額法」という方法で減価償却を行います。ただし場合によっては、「定額法」も含めた以下のような選択肢から、任意の償却方法を選ぶこともできます。

  1. 「定額法」で、毎年おなじ金額を経費にする
  2. 「定率法」で、購入した年の経費を多めにする
  3. 「一括償却資産」として、3年で全額を経費にする
  4. 「少額減価償却資産の特例」を利用して、購入年度に全額を経費にする(青色のみ)

減価償却方法を選ぶ基準

減価償却の方法によって、一年で経費にできる金額は異なります。利益が大きい年に多額の経費を計上できるような償却方法を選べば、所得税が高額になるのを避けられます。また、会計業務の手間を省きたければ、単純にかかる年数が短い方法を選ぶのもアリです。

①「定額法」で耐用年数に従って減価償却する

個人事業で減価償却をする場合は、白色・青色に関わらず「定額法」を選択するのが基本になります。「定額法」では、資産の種類ごとに定められた「耐用年数」に従って、原則的に毎年おなじ金額を経費として計上していきます。

減価償却「定額法」

耐用年数とは?

「耐用年数」とは、資産の種類ごとに国が定めた「おおよそ使用可能な年数」のことで、それに対応する「償却率」も決まっています。「償却率」は減価償却費を計算するための数字で、定額法ではおよそ「 1 ÷ 耐用年数 」の値です。以下が、耐用年数と償却率の例です。

耐用年数 償却率
パソコン 4年 0.25
小型車 4年 0.25
電話設備 6年 0.167
事務机 15年 0.067
金庫 20年 0.05

定額法の計算方法

定額法の場合、1年の減価償却費は以下のように計算します。
減価償却 定額法の計算式

耐用年数は、使用を開始した月から数え始めます。そのため、一年の途中から使い始めたものに関しては、減価償却の最初と最後の年のみ「その年に使用した月数」を考慮する必要があります。

定額法による減価償却の例

ある年の4月に20万円のパソコンを1台購入した場合、それ以降の減価償却費を「定額法」で計算すると以下のようになります。パソコンの耐用年数は4年ですが、購入した4月から起算するため、5年目まで償却がズレ込みます。

計算式 減価償却費
1年目 20万円 × 0.25 ÷ 12 × 9ヶ月 37,500円
2年目 20万円 × 0.25 ÷ 12 × 12ヶ月 50,000円
3年目 20万円 × 0.25 ÷ 12 × 12ヶ月 50,000円
4年目 20万円 × 0.25 ÷ 12 × 12ヶ月 50,000円
5年目 20万円 × 0.25 ÷ 12 × 3ヶ月 – 1 12,499円

定額法の場合、必ず最後に1円だけ残します。これを「備忘価額」と呼び、資産を実際に使用している限りは償却せず残しておきます。

②「定率法」で購入年度の経費を多めにする

「定率法」は、残っている取得価額の「一定の割合」を経費に計上していく方法です。つまり、はじめの年ほど経費にできる金額が多く、それが年々減っていくということになります。

減価償却「定率法」

「定率法」には、購入年度に多くの経費を計上できるという特徴があります。しかし、事前の届け出などの条件があるため、個人事業で「定率法」を選択するケースは稀です。

定率法の計算方法

定率法では、減価償却費の残高に「償却率」をかけて減価償却費を計算します。この「償却率」は「定額法」のものとは異なり、やや高めの値です。取得価額の残高が、耐用年数ごとに決められた一定の金額を下回ると、あとは「定額法」と同じ計算式になります。

定率法を選択するための条件

定率法を選択するためには、確定申告の期限までに、税務署へ「所得税の減価償却資産の償却方法の届出」を提出する必要があります。また、届出をしても、資産の種類によっては定率法が適用できない場合もあります。

③「一括償却資産」として3年で全額を経費にする

取得価額が10万円以上20万円未満の資産は、耐用年数に関係なく、3年で全額を経費にすることができます。この方法を一般的に「一括償却」と呼び、このとき資産は「減価償却資産」ではなく「一括償却資産」として扱われます。

取得価額が10万円以上20万円未満の資産に関しては、通常の「減価償却資産」として扱うか、「一括償却資産」として扱うかを自由に選べます。白色事業者の場合は、「一括償却」が最もカンタンな償却方法です。

「一括償却資産」

一括償却資産の償却方法

一括償却資産の場合は、単純に取得価額の3分の1ずつを、3年間にわたって経費としていきます。この際、購入した日付は関係ありません。購入した年度分の確定申告から、3分の1ずつ経費にしていきます。

「一括償却」に関して、事前の届け出などは不要です。白色・青色に関わらず、確定申告の際に「一括償却資産」として申告すれば適用されます。

一括償却資産のメリット

「一括償却」を選択すれば、短期間で全額を経費に計上できるため、「太く短い」節税効果が得られます。また一括償却資産の場合、減価償却資産などを対象とした「固定資産税」がかからないというメリットもあります。

④「少額減価償却資産の特例」なら一発で経費にできる【青色】

青色事業者の場合、「少額減価償却資産の特例」を利用すれば、30万円未満の取得価額をすべて購入年度の経費にすることができます。それなりの利益が見込まれる年であれば、一発で経費に計上できることは、大きな節税メリットになります。

「少額減価償却資産の特例」を利用する際、事前の届け出などは不要です。青色事業者は、確定申告のときに申告すれば適用されます。

適用の限度額は合計300万円まで

「少額減価償却資産の特例」が適用されるのは、取得価額の合計が300万円以下の場合のみです。それを超えて購入したものは、対象外となります。なお、開業年などで事業が1年未満の場合は、300万円を12で割って月数をかけた金額が上限額となります。

「少額減価償却資産の特例」には期限がある

「少額減価償却資産の特例」は期限付きで、「2022年3月31日までに取得したもの」のみを対象としています。

まとめ – 減価償却の主な方法とそれぞれの特徴

「減価償却」とは、事業で長期的に使用する資産の取得価額を、長期にわたって少しずつ経費に計上していくことです。経費に計上できる金額は「定額法」に基づいて計算するのが基本ですが、取得価額に応じて、主に以下のような方法を選択することができます。

取得価額 選べる減価償却の方法
10万円未満 減価償却の対象外
10万円以上20万円未満 定額法、定率法、一括償却、少額減価償却資産の特例(青色)
20万円以上30万円未満 定額法、定率法、少額減価償却資産の特例(青色)
30万円以上 定額法、定率法

「定額法」が基本的な償却方法

「定額法」では、資産の種類ごとに定められた「耐用年数」に従って、原則として毎年おなじ金額を経費に計上していきます。白色・青色に関わらず、最もベーシックな償却方法です。

「定率法」なら購入年度の経費を多くできる

「定率法」では、残っている取得価額の「一定の割合」を経費にしていきます。はじめの年ほど経費にできる金額が多く、年々減っていくことになります。購入年度に多くの経費を計上できるメリットがありますが、資産の種類によっては適用できない場合もあります。

「一括償却資産」は3年で全額を経費にできる

取得価額が10万円以上20万円未満の資産は、耐用年数に関係なく、3年で全額を経費にできます。短期間で償却が完了するうえ、「固定資産税」がかからないというメリットもあります。白色事業者の場合、この方法が最もカンタンです。

「少額減価償却資産の特例」を利用すれば一発で経費にできる

青色事業者は「少額減価償却資産の特例」を利用すれば、30万円未満の取得価額をすべて購入年度の経費にできます。利益の多い年に利用すれば、大きな節税メリットが期待できます。

 
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