個人事業主の屋号には、どんな事業を行なっているのかイメージできるという長所があります。ビジネスカードに屋号を刻印できるのか、どのように印字可能なのか、刻印できるビジネスカードなどについて説明します。
屋号を刻印できるビジネスカード
ビジネスカードには、名前と一緒に屋号を刻印できるものがあります。刻印される位置は、カード券面左下の「名義人」の場所です。名義人欄を2行使って名前と屋号を印字します。以下に、屋号の刻印が可能なカードをまとめました。
屋号が印字できる主なビジネスカード
上段 屋号 下段 氏名 |
上段 氏名 下段 屋号 |
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屋号が刻印できないビジネスカード
個人事業主が屋号をビジネスカード券面に印字したい時は、最初の申し込みの際に希望を伝えます。何も申し出なければ、カードの印字は名義人である個人名だけとなります。また、氏名は無しで屋号のみ刻印するということはできません。
- オリコ EX Gold for Biz S(個人事業主用)
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード(個人事業主の場合:名前の下に「BUSINESS」と刻印)
氏名と屋号はローマ字で印字される
氏名・社名・屋号などは、アルファベットの綴りをどのようにするか自分で希望を出すことができます。申し込みフォームの入力・記入欄には、「漢字」「カナ」「ローマ字」を書きこむようになっています。
また、刻印できる文字数には上限があるので注意してください。文字数制限はカードによって異なりますが、スペースを含んで20字前後と考えられます。屋号が長い場合は、カード発行会社に確認をとることをおすすめします。
そもそも屋号とはどんなもの?
屋号は会社でいうところの会社名です。個人事業主は「個人事業の名前」として屋号をつけることができます。店舗の名前や事業の名称が屋号になっている場合が多く見られます。
屋号は必ずつけなければならないということはありません。開業届には屋号の記入欄がありますが、空欄のままでも届出ができます。「後から屋号を決めた」「屋号を変えた」という場合に届出もいりません。その年の確定申告の時、屋号欄に新しい屋号を書き込めばいいだけです。
屋号の例としては、レストランであれば「◯◯食堂」、美容室なら「◯◯美容室」、事務所であれば「オフィス◯◯」などがあります。これから屋号をつけるのであれば、事業がイメージしやすく、覚えやすいネーミングが良いでしょう。
屋号を使う場面
- 開業届(屋号は空欄でも可)
- 看板
- 名刺
- Webサイト
- 銀行口座(屋号名 + 氏名)
- 契約書、請求書、領収書
- 商品名(「ベーカリー◯◯のメロンパン」など)
屋号を持つと、社会的信用につながる
個人事業主は個人名で仕事をしている方もたくさんいます。お店を経営しているなら屋号(店名)はかなり重要ですが、フリーランスの方は屋号の必要性を感じることは少ないかもしれません。屋号があることで得られるメリットを紹介します。
屋号のメリット
- 取引先や顧客からの信用を得やすくなる
- 屋号によって何の事業か推測できる
- 屋号が記載された領収書は経費とわかりやすい
取引先や顧客からの信用を得やすくなる
屋号があると、個人名だけの事業よりも信用を得やすくなります。たとえばネット通販で買い物をした時、個人名の振込先にお金を振り込むのは不安なものです。「ネットショップ◯◯」というような屋号があるだけで、安心感が増します。
また、看板や広告が個人名だけでは怪しいイメージになってしまいます。取引先との名刺交換でも、屋号があると信用度がアップします。
屋号によって何の事業か推測できる
「レストラン◯◯」「◯◯クリニック」というような屋号を見ると、どんなサービスを行っている店なのかすぐにわかります。顧客や取引先にとって何の事業か印象に残りやすく、宣伝効果も期待できます。
屋号が記載された領収書は経費とわかりやすい
契約書や請求書などは個人名でも問題はありませんが、屋号が記入されていると「経費である」と明確になります。プライベートの支払いと区別がつくようになります。
カード裏面の署名欄には個人名をサインする
ビジネスカード裏面にある署名欄は、紙テープを貼ったようになっています。ビジネスカードが手元に届いたら、まずはここにサインをします。
ここの署名欄は、実はサインであれば何でも構いません。本人の個人名でも、屋号でも大丈夫です。単にイニシャルだけのサインでも良いのです。一般的には自分の名前をサインするので、迷ったら名前を書きましょう。文字は、漢字でもアルファベットでもOKです。漢字でサインをしても、海外で利用することは可能です。
店頭での支払いの際、署名欄にサインがないカードは原則として使用不可です。カード支払い時にサインを求められたら、署名欄のサインと同じようなサインをしましょう。