海外でのキャッシングは、両替よりもお得な場合もあり、安全で便利と言われています。海外キャッシングの利用方法や、海外キャッシングのできるビジネスカードについてまとめました。
目次
海外キャッシングができるビジネスカード
ビジネスカードでは、キャッシング機能の付いているものは多くはありません。事業が順調であれば原則としてキャッシングを必要としないので、カード発行会社も積極的にキャッシング機能を付帯させていないと考えられます。
その中で、数は少ないですがキャッシングが可能なビジネスカードがあります。
国内・海外でキャッシングができる主なビジネスカードは、この4つです。
海外キャッシングができるビジネスカード
セゾンプラチナ | オリコ EX | 三井住友 Owners |
ダイナース | |
---|---|---|---|---|
カードデザイン | ||||
国際ブランド | ||||
キャッシング 利用枠 |
0〜50万円 | 10万円~ 100万円 |
0~50万円 | 0~50万円 |
返済方式 | 一回払い or リボ払い |
一回払い or リボ払い |
リボ払い (繰り上げ 返済可) |
一回払い |
返済回数 | 1回 リボ払いは 110回まで |
1回 リボ払いは 55回まで |
32回 最長2年8ヵ月 |
1回 |
貸付利率 (実質年率) |
12~18% | 100万 コース:15% 80万コース:18% |
国内15% 海外18% |
15% |
リボ払いは、毎月一定の金額を返済する方法です。三井住友ビジネスカード for Ownersでは、一括返済ではなくリボ払いによる返済となります。リボ払いで返済をスタートさせますが、すぐに繰り上げ返済をすることもできます。
ダイナースは、キャッシングの他にカードローンのサービスも用意しています。カードローンの返済はリボ払い方式を採用しており、毎月決まった額の元金と利息を返済します。貸付年率は13.8%~18.0%です。最初の申し込み時の希望枠は、キャッシングとカードローンを合わせて50万円までですが、入会後に引き上げることも可能です。
海外キャッシングのメリット・デメリット
ここでは、主に両替と比べてのメリットとデメリットを紹介します。
ビジネスカード による海外キャッシングのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
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|
両替より手数料が安い
海外では両替よりATMでのキャッシングの方がお得な場合が多いです。ただし、返済をすぐに行わない・リボ払いを利用するといった場合は手数料が余計にかかります。
たとえば、2万円分をドルに換えた場合です。(1ドル=100円とする)
- 両替の場合 …両替手数料は600円(平均的な両替手数料3%で計算)
- 海外キャッシングの場合 …利息と手数料は合計353円
(年利18%・キャッシング利用後から14日で一括返済・ATM利用手数料216円を含む)
※参考・セゾンカード「海外キャッシングサービス」
ATMの数が多い
主要な空港やメインストリートにはATMが設置されていることが多いです。近くに利用できるATMがあるかを確認しておくとスムーズです。
経費精算が楽になる
海外では、タクシーやバスの運賃やチップなど、カード決済ができない場面も少なくありません。現地で利用した金額の領収書を集めて計算したり、領収書がもらえなかった場合はメモをしておくことが必要です。海外キャッシングを利用できると、使い道まではわからないものの、海外でいくら使ったかがはっきりします。
キャッシング利用枠の範囲内しか使えない
キャッシングには利用枠があります。両替は所持している日本円の分可能ですが、キャッシングの上限が低い場合、希望額を用意できない可能性があります。
ATMが日本語対応でない場合あり
メジャーなATMは、最初に日本語を選ぶことができるようになっています。そうでない場合でも英語に対応していることがほとんどです。海外ATMの利用手順を後述しますので、参考にしてください。
国際ブランドによってATMが限られる
所持しているカードに搭載されている国際ブランドに応じて、利用できるATMが異なります。なお、地域によっては、利用できるATMが少ない場合があります。
両替よりも安くするには繰上げ返済が必要
すみやかに繰上げ返済をしない場合、利息が増えるため海外キャッシングの手数料の安さという利点がなくなってしまいます。帰国後はすぐに繰上げ返済をすると良いでしょう。
海外キャッシング後すぐに繰上げ返済したいと申し出ることも可能です。海外滞在中でもカード会社へ電話をして繰上げ返済する旨を伝えます。返済金額が確定次第、ネットバンキング等で振込を行うことができます。この場合は国際電話料金や振込手数料等を確認して、両替より損にならないようにします。
海外キャッシングには事前の申し込みが必要
キャッシングができるビジネスカードだからといって、カードを持っているだけでは海外キャッシングは活用できません。キャッシング利用には申し込みが必要です。
カード申し込み時にキャッシングを申し込んでいる場合、審査を経てキャッシング利用額が通知されています。発行時にキャッシングを申し込んでいない場合は、後からキャッシング希望を出して利用枠を用意してもらう必要があります。
キャッシング利用枠と暗証番号を確認しておく
キャッシング利用を後から申し出た場合、基本的に審査が入ります。ある程度の日数が必要となるので、早めに申し込んでおくようにします。暗証番号はキャッシングに欠かせないので、渡航前に確認をしておきましょう。あらためて確認・再発行してもらう場合は約1週間程度かかります。
海外で利用できるATM
利用できるATMは、カードに搭載している国際ブランドによって異なります。VISAやダイナースでは「PLUS」マークのATMを、Mastercardでは「Cirrus」マークのATMを使うこともできます。
海外で利用できるATM
対応マーク | |
---|---|
VISA | PLUS VISA |
Mastercard | Cirrus Mastercard |
American Express | American Express |
Diners Club | pulse(米国) Diners Club(米国以外) |
余裕があれば、渡航先で利用できるATMを確認しておくと便利です。ATMの場所を教えてくれる検索サイトもあるので活用しても良いでしょう。
海外のATMでキャッシングをする手順
ATMの操作は慣れないと不安なものですが、基本的には、日本のATM操作とあまり変わりません。表示される英単語を事前に確認しておくと安心できます。なお、万が一トラブルになった時は、カードの裏面にある連絡先に連絡をします。
海外ATMのキャッシング手順一例
- 利用できるATMかどうかを確かめる
ATMにあるマークを確認して、利用可能な機種かどうかを確かめます。 - 日本語あるいは英語を選択
ATMには日本語に対応しているタイプもあります。日本語のボタンがない場合は、英語などわかりやすい言語を選びます。ここからは、英語に対応しているATMの手順を説明します。 - 4桁の暗証番号を入力
「ENTER PIN」とあったら、暗証番号を入力します。最後に「ENTER」を押す場合があります。PINとは、暗証番号 (Personal identification number)のことです。 - 取引内容を選ぶ
引き出しをするには、「WITHDRAWAL」(引き出す)を選択します。 - 引き出しの口座を選択
クレジットカードであれば「CREDIT」。あるいは「CASH IN ADVANCE」と表示されることもあります。 - 金額を選択
いくつかの選択肢から選ぶタイプが一般的です。 - カード明細書と現金を受け取る
カードの挿入には5つのパターンがあるので注意します。
- 日本のATMと同じタイプ
- カードの裏面を上にして入れるタイプ
- カードを入れてすぐに抜き取るタイプ
- カードを垂直に入れてすぐに抜き取るタイプ
- カードリーダーにさっと通すタイプ
海外キャッシングが可能なビジネスカードそれぞれの特徴
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
キャッシングは、50万円までの利用枠設定が可能です。American ExpressのマークがあるATMで利用可能です。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
オリコEX Gold for Biz S
オリコ EX Gold for Bizは、個人事業主用と法人用でカード名末尾のアルファベットが異なります。「S」が個人事業主用で、「M」が株式会社などの法人用です。キャッシング機能を持つのは、個人事業主用の「S」のみとなっています。
キャッシングは2コースが用意されており、「80万円コース(実質年率18.0%)」「100万円コース(実質年率15.0%)」があります。キャッシングは1万円単位で何度も利用可能です。キャッシングを申し込んだ場合、確定申告書などの収入証明書類、営業許可証が必要な場合もあります。国際ブランドはVISAまたはMastercardのどちらかを選べるため、選択に応じて利用可能なATMが決まります。
オリコEX Gold for Biz
三井住友ビジネスカード for Owners
最大50万円までの海外キャッシングが可能です。クラシックとゴールドは海外キャッシングの貸付利率が18%ですが、プラチナカードだけは15%です。国際ブランドはVISAまたはMastercardのどちらかを選べるため、選択に応じて利用可能なATMが決まります。
三井住友ビジネスカード for Owners
ダイナースクラブビジネスカード
キャッシングは50万円までですが、入会後に申し込むことで50万円以上も可能です。この場合、年収証明書類のコピーが必要となります。返済は手数料と合わせて1回払い限定です。ATMは、米国内ではPulse(パルス)、それ以外の国ではDiners Clubのマークが付いている機種が使えます。なお、カードローンはATMが国内にしかないため、海外での利用はできません。
ダイナースクラブビジネスカード
セゾンプラチナ | オリコ EX | 三井住友 Owners |
ダイナース | |
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カードデザイン | ||||
国際ブランド | ||||
キャッシング 利用枠 |
0〜50万円 | 10万円~ 100万円 |
0~50万円 | 0~50万円 |
返済方式 | 一回払い or リボ払い |
一回払い or リボ払い |
リボ払い (繰り上げ 返済可) |
一回払い |
返済回数 | 1回 リボ払いは 110回まで |
1回 リボ払いは 55回まで |
32回 最長2年8ヵ月 |
1回 |
貸付利率 (実質年率) |
12~18% | 100万 コース:15% 80万コース:18% |
国内15% 海外18% |
15% |