クラウド会計ソフトを導入予定の個人事業主に向けて、以下の会計ソフトを比較します。
- 「マネーフォワード クラウド確定申告」(以下マネーフォワード)
- 「やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」(以下弥生)
- 「freee」
これらのソフトについて、料金プランや機能などの特徴を比較し、それぞれ解説していきます。
マネーフォワード クラウド確定申告
やよいの白色申告 オンライン
やよいの青色申告 オンライン
freee
料金プランとサポート体制
まずは、料金プランとサポート体制について、3社を比較してみましょう。以下は個人事業主向けプランの料金・サポート比較表です。
マネーフォワードとfreeeについては、ひとつのソフトで白色申告と青色申告の両方に対応しています。弥生のみ、「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」に分かれています。
個人事業向けプラン比較 – マネーフォワード・弥生・freee
マネーフォワード | 弥生 | freee | ||
---|---|---|---|---|
やよいの白色申告 オンライン |
やよいの青色申告 オンライン |
|||
無料版 | ◯ フリープラン (永久無料) お試し (最大30日間) |
◯ フリープラン (永久無料) |
◯ 無料体験プラン (2ヶ月) |
◯ 無料プラン (最大30日間) |
利用料金 (税込) サポート |
パーソナルミニ (メール・チャット) 1,078円/月 10,560円/年 パーソナル パーソナルプラス |
フリープラン 0円/年 ベーシック トータル |
セルフプラン 8,800円/年 ベーシック トータル |
スターター 1,298円/月 12,936円/年 (メール・チャット) スタンダード プレミアム |
* 会計ソフトに関する問い合わせのみ可能
白色申告の場合、永久無料で利用できる「やよいの白色申告 オンライン」のフリープランがおすすめです。
青色申告の場合、最も割安なのは「やよいの青色申告 オンライン」のセルフプランです。しかしこれはサポートが付きません。ある程度簿記や会計の知識を持っている方以外は、はじめはサポート付きの他プランをおすすめします。
個人事業主向けプラン比較まとめ
- 月額プランはマネーフォワードとfreeeのみ
- サポートが手厚くなるほど料金も上がる
- 青色申告ソフトの最安値は弥生、ただしサポートはなし
- 青色申告ソフトでサポートありの最安値はfreee
利用できる機能の比較
次に、利用できる機能について比較していきましょう。基本的にはどのプランを選んでも確定申告は問題なく行えます。しかし、メーカーにより利用できる機能が少々違ってきます。
多くの個人事業主は会計ソフトを青色申告に活用すると思うので、今回は各社それぞれの、青色申告ができる最安値プランについて機能を比較してみましょう。
各社の主な機能比較 – マネーフォワード・弥生・freee
マネーフォワード クラウド確定申告 |
やよいの青色申告 オンライン |
freee | |
---|---|---|---|
パーソナルミニ | セルフプラン | スターター | |
料金 | 1,078円/月 10,560円/年 |
8,800円/年 | 1,298円/月 12,936円/年 |
サポート | メール・チャット | サポートなし | メール・チャット |
金融機関等の 自動連携 |
◯ | ◯ | ◯ |
確定申告書作成 | ◯ | ◯ | ◯ |
作成可能帳簿 | 充実 (各種帳簿) |
充実 (各種帳簿) |
必要最低限 (仕訳帳・試算表・勘定元本帳のみ) |
作成可能 レポート |
充実 (各種レポート) |
充実 (各種レポート) |
必要最低限 (損益・現預金レポートのみ) |
スマホアプリ 対応機能 |
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共有機能 | 3ユーザーまで (4名以上の使用は1ユーザー追加ごとに330円/月) |
1ユーザーのみ (追加する場合は、通常プランと同じ料金を支払う必要あり) |
3ユーザーまで (4名以上の使用は1ユーザー追加ごとに396円/月) |
* 別アプリを利用する
3社それぞれの機能で、メーカーごとに差が出てくるのは主に以下の点です。
帳簿づけ画面
マネーフォワード | やよいの青色申告 オンライン | freee |
---|---|---|
レポート作成画面
マネーフォワード | やよいの青色申告 オンライン | freee |
---|---|---|
帳簿やレポートの作成機能について、マネーフォワードと弥生に関しては、ほぼ同レベルの機能が備わっています。
一方でfreeeに関しては、必要最低限の帳簿・レポート作成機能しか付いていません。マネーフォワード・弥生同等の機能を求めるなら、プランをスタンダード(23,760円/年)に変更する必要があります。
スマホアプリ対応機能
スマホアプリには各社ともに対応していますが、利用できる機能はメーカーによって異なります。
マネーフォワード | やよいの青色申告 オンライン |
freee |
---|---|---|
freeeはスマホアプリの機能が最も充実しています。取引入力やレシート撮影機能のみならず、スマホで確定申告書の作成〜電子申告も行えます。しかし、レシート撮影機能は最安プランの場合は上限(月5枚まで)があり、それ以上はスタンダード(26,136円/年)へのプラン変更が必要となります。
マネーフォワードのスマホアプリも、日々の帳簿づけから確定申告書の作成まで問題なく行えます。ただ、レシート撮影機能を利用するには、別途で「マネーフォワード クラウド経費」のアプリをインストールする必要があります。
一方、弥生のスマホアプリからは、シンプルな帳簿づけしか行えません。なので「スマホを最大限に活用したい」という人は不便に感じるかもしれません。ただ、レシート撮影機能に枚数制限がないというメリットもあります。
共有機能
会計ソフトの共有機能について、マネーフォワードは「パーソナルミニ」プラン以外は無制限でユーザーを追加することができます。freeeは、デフォルトで3ユーザーまで共有が可能です。それ以上の人数で共有したい場合は、1ユーザーあたり月数百円でユーザー追加ができます。
一方で弥生の場合は、利用できるユーザーは1名のみです。共有ユーザーを追加したい場合には、通常プランと同じ料金を追加ユーザーの数だけ支払う必要があります。
従業員や税理士と会計ソフトを共有する予定がある人は、マネーフォワードかfreeeを選ぶとよいでしょう。
ソフトごとのユーザーインターフェイス
次に、各社のソフト構成の違いについて説明します。どのソフトもシンプルでわかりやすく構成されてはいますが、メーカーによって対象とするユーザーの知識レベルが変わってきます。
利用者の簿記の知識レベルと適したソフト
マネーフォワード | 弥生 | freee | |
---|---|---|---|
簿記の知識レベル | 知識に自信なし | ある程度の知識あり | 知識なし・初心者 |
簿記の知識がまったくない人はfreeeがおすすめ
freeeは会計初心者に特化したソフトのつくりになっています。専門用語が少ない、解説が多く盛り込んである、帳簿作成の手順が表示されるなど、複式簿記の仕組みがわからなくても操作できる工夫が施されています。
一方で、簿記をなにも知らないユーザーに向けた作りなので、もともと知識のある方にとっては使いにくいと感じる場合があるようです。
簿記の知識がそこそこある人はマネーフォワード・弥生
弥生やマネーフォワードは、ある程度会計の知識がある人向けです。基本的には確定申告を過去に1回でも自分でやったことがある方の利用が無難でしょう。簿記に苦手意識があるという人はマネーフォワード、ある程度慣れている人は弥生がおすすめです。
おすすめはどのソフト?
最後に「初心者目線の使いやすさ」「費用」の観点からみた3社の比較と、それぞれに向いている人の特徴をまとめました。
マネーフォワード | 弥生 | freee | |
---|---|---|---|
簿記の知識 レベル |
初歩的知識はある | ある程度慣れている | 何も知らない |
費用 | 1,078円/月~ 10,560円/年~ |
8,800円/年~ | 1,298円/月~ 12,936円/年~ |
向いている人 |
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なお、3社ともに無料体験プランが用意されています。どのソフトにするか迷ったときは、まずは無料版でいくつか使い比べてみるのもおすすめです。